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バナヤンからうさぎへ


うさぎさんへ


 旅の写真から、胸のどきどきが伝わってきました。感動や当惑や気持ちの動き全部の種類のどきどきが。
 見ている方も、時間の流れが凝縮されて子供に戻ったようでした。
 ああいうふうに迷ったのはいつだろう?
 と思ったら、案外最近でした。
 ひまわりの花が道にあったことしか覚えていない。まだ種はとれないな、と思った。すこし枯れかけたひまわり。

 夕方になる時のあのほっとする感じを、久しぶりに沖縄で味わいました。
 ああ、もう夕方だ、今日はここまで、というあの気持ち。
 空のほうが勝手にいろいろ見せてくれるのを、感動のため息をついて見ているしかないあの気持ち。
 東京ではいつも「惜しい!建物の間に山が見えないな」と思います。
 山の緑にオレンジが映るのが格別なんですけどね。あれを見るたびに、生きてるかいがあった、と思います。

 それから、最近、実は自分は左ききだったかもしれないことがわかり、すごくショックを受けた。楽器と、皿あらいと、裁縫に関して、どうしてか無意識に左手を使おうとする。左の腕のほうがずっと筋力がある。そうか、と思い当たった。
 左ききだった自分の人生を考えると、とても切ない気持ちになった。昔、四歳くらいの時、お父さんに「はさみを使うのが下手だなあ」と言われた時、「こっちの手に持ちたい」というのがうまく言葉にできなかった、あの瞬間に、右きき人生が始まったのだな、と思った。今は今で楽しいからいいけど、もしも左ききだったら、何になっていただろう? その日の仕事がその日に終わる仕事がいいな。あ、夕方だ、今日はここまで。そういうふうに、右ききだが、そして山は見えないが、なっていこうと思いました。
写真は、ベタすぎるか?とも思ったけど、うちでしか撮れない珍品。
うさぎの、競争のない幸せな暮らしを見て! じゃ、また。 バナヤンより


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