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かおるさんへ うさぎより


かおるさま

久しぶりの旅行から帰ったら、かおるさんからの手紙が届いていました。
おげんきですか?
お手紙をもらった時にくらべると、ちょっぴり秋の気配が出てきたけれど、まだまだ暑い日が続きますね。
写真の中のNAOKIくんも、早く秋になって涼しい風が吹くのを待っている様です。

ところで、自分勝手といえば、うちのこいぬです。
なんでもやりたいほうだいで、やりっぱなしだし、わたしが大事にしている刺繍入りの室内履きなんかガリガリ齧ってへっちゃらでいるし、時々、こいぬのせいでどれほど苦労が増えることか、って叫びたい気持ちになるわ。
でも、すこし時間が経って落ち着くと、やっぱり、わたしはこいぬのことがだいすき、と思えるの。それは、理屈じゃないんだけど、敢えて言葉で言ってみると、こいぬがわたしとは全く違う感覚で生きているからだと思います。
自分とすごく似ているのは、理解しやすいし大好きになりやすいけど、自分と全然違うっていうのも、いいなと思うんです。
表面に出てくるものが違っても、たとえば、朝起きて今日はどんな楽しいことをしようかなって考えるみたいなベーシックなところが同じだったりしたら、それでOKっていうか。なんかね、ピンポイントでいいっていうか、そこを押さえたら、あとのいろんな事は気にしないでいいんじゃないかって思うんです。
だってひとって本当にいろいろあるじゃない。わたしにはわたしの気持ちがあるし、相手には相手の気持ちがあるし、それはもう仕方のないことなんじゃないかって思うから。
わたしはわたしの気持ちで相手を測るしかないけど、それはあくまでわたしの気持ちでしかなく、それで相手を判断することはできないし、相手を変えることもできないし。
自分が変えることのできるのは、自分だけだものね。
かおるさんのいっていることとちょっとずれるのかもしれないけど、わたし、自分勝手って結構いいものだと思う。人に迷惑をかけたり、傷つけたりしないというのが前提だけど。
そういう自分勝手が素直に生きるっていうことなのかなあ。
かおるさんは、きっとやさしすぎるんだと思うわ。
まわりの人のことをたくさん考え過ぎてしまうんじゃない?
まわりの人がどう思うかっていうのは、相手の気持ちに任せて、自分が今言いたいことや、言わなくちゃならないことに正直になってみると、素直な自分勝手になれるんじゃないかな。お手紙読んでいて何となくこんなふうに思ったけど、どうなのかしら(自問)。

それでは、また。
                          8月11日          うさぎより



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